議決権行使の方針

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アメリカン・センチュリー・インベストメント・マネジメント・インク(本「アドバイザー」)は、アメリカン・センチュリー・インベストメンツ®のファミリーファンドを含め、助言を提供する様々な顧客に対する投資運用会社です。そのような立場において、本アドバイザーは、管理する口座にて保有している投資に関して議決権を行使する権限を委ねられています。以下は、本アドバイザーが採用している議決権行使の方針に関するステートメントです。特定の顧客から委任された議決権行使の権限において、本アドバイザーは、顧客によって採用され、通知を受けて書面で受諾した特定の方針に従い、またはそれに基づき、以下の方針を適用します。

一般原則

顧客に議決権行使サービスを提供するにあたり、本アドバイザーは、一般的な受託者責任の原則に従い、顧客の利益のみに焦点を当てて慎重に行動しなければならず、顧客の利益と無関係な目的を優先させることはしません。これらの方針に特段の記載がある場合を除き、本アドバイザーは、管理する顧客勘定に保有されている投資に関して、すべての議決権を行使します。本アドバイザーは、投資の価値に影響しうるその投票についてあらゆる要因を考慮するように努めます。ほとんどの場合、本アドバイザーはすべての顧客勘定において整合するように議決権を行使しますが、投票は各顧客の最善の利益に基づいて行われます。その結果として、本アドバイザーが管理する勘定は、同一提案に対して異なる投票を行う場合があります。勘定の議決権行使が本アドバイザーが管理する他の勘定と異なる場合があることを示す事例は以下の通りですが、委任状争奪戦および合併提案に限定されません。つまり、本アドバイザーは、株主価値を最大化するために最も効果的であると考える方法で議決権を行使します。

特定の議決権行使に関する事項

取締役の選任

  • 一般 - 本アドバイザーは通常、独立取締役が取締役会の過半数を占めることになる取締役の選任を支持します。一般的に、本アドバイザーは、経営陣による取締役の候補者に対立候補がいない場合、賛成票を投じます。本アドバイザーは、経営陣が取締役の資質、および特定の取締役会のニーズと動向を評価するにあたり最良の立場にあると考えています。本アドバイザーは当然ながら、資格がないと思われる候補者、または犯罪行為や受託者責任の違反の疑惑など、個人に具体的な懸念が生じている場合、候補者に反対票を投じる能力を維持します。本アドバイザーが取締役の候補者に関して検討する可能性のある追加情報は以下のとおりですが、これに限定されません。。(1)取締役会における度重なる欠席に対する適切な説明を示しているか、(2)候補者は取締役会以外の報酬を受け取る場合、または(3)候補者と会社の最高経営責任者または支配株主との間に家族関係がある場合。経営陣の候補者が委任状争奪戦で反対された場合、本アドバイザーは、どの候補者の公表済みの経営方針と目標が株主価値を最大化する可能性が最も高いか、ならびに現職の過去の業績を評価します。

  • 委員会のサービス - 本アドバイザーは、取締役会の監査委員会、報酬委員会および/または指名委員会の委員を務める非独立取締役に対する投票を保留します。

  • 取締役の毎年改選 - 本アドバイザーは、取締役会の毎年改選を求める提案を支持します。一方、本アドバイザーは、期差任期の取締役会構造を採用しようとする取り組みに反対します。

  • 独立取締役が過半数の取締役会 - 本アドバイザーは、独立取締役が取締役会の過半数を占めるように要求する提案を支持します。本アドバイザーは、独立取締役が過半数を占めれば、客観的な意思決定の促進と、株主に対する説明責任の強化が促されると考えています。

  • 取締役選任に対する過半数投票の基準 - 本アドバイザーは、取締役選任において投票総数の過半数賛成票によって取締役が選任されるように求める提案に賛成票を投じます。ただし、激戦の場合は、かかる提案では相対多数の投票基準を可能にすることを条件とします。本アドバイザーは、企業の取締役会が取締役の辞任方針など、代替手段を採用し、過半数の議決権基準に代わる有意義な代替手段を提供し、無競争の選任の場合に現職の取締役が投票総数の過半数支持を得られない状況に適切に対処する代替手段を採用している場合、そのような株主提案に反対票を投じることを検討する場合があります。

  • 保留キャンペーン - 本アドバイザーは、かかる行動が上記の節(1)から(5)に記載される原則を推進する場合、取締役に対する投票の保留を株主に求める提案を支持します。

監査人選任の承認

本アドバイザーは通常、会社に最善のサービスを提供する独立監査人の選任では、発行体の監査委員会の判断に依拠します。本アドバイザーは、監査人の独立性が最も重要であると考えており、独立性が損なわれているようにみえる監査人に反対票を投じます。本アドバイザーは、(1)監査人が、会社に金銭的利害を有しているため、独立していない、(2)監査以外の報酬が、会社が監査法人に支払った報酬総額の50%を超えている、または(3)独立監査人が会社の財務状況が不正確であるか、または財務状況を示していないとの意見を過去に発行体に提出したと信じる理由がある状況において、提案された監査人に反対票を投じます。

役員報酬

  • 報酬に関する勧告的決議 - - 本アドバイザーは、特定の過度なインセンティブプランへの反対投票や、報酬委員会のメンバーの投票の保留などによって、報酬に関する勧告的決議を行うよりも、報酬に関する懸念を伝える効果的な方法が存在すると考えています。本アドバイザーは、勧告的決議ではケースバイケースで検討して投票を行い、本アドバイザーが、役員報酬は、(i)株主利益に合致しない、(ii)金額が法外、または(iii)全体として会社の業績に有意義に連動していないと結論づけた場合を含め、具体的な懸念が存在しない限り、通常は経営陣の提案を支持します。

  • 報酬に関する勧告的決議の頻度 - 本アドバイザーは通常、勧告的決議の頻度について3年ごとの選択肢を支持しますが、別のアプローチについて経営陣の勧告を検討します。

株式報酬制度

本アドバイザーは、株式ベースのインセンティブ制度は、株主が投票する権利がある経済的に重要な問題であると考えています。本アドバイザーは、株式報酬制度が望ましい従業員を惹きつけて維持するのに有効であることを認識しています。株主価値の最大化のためにこの制度を適切に活用する場合、かかる制度に伴う費用を測定する必要があります。本アドバイザーは、それぞれのストックオプション、株式賞与または同様の制度や変更についてケースバイケースで分析を行い、会社の株式報酬制度の採用や変更に関する経営陣の推奨を一般的に承認します。ただし、会社のすべての制度下で留保された株式総数が合理的であり、過度に希薄化されていないことを条件とします。

本アドバイザーは、ケースバイケースで株式報酬制度やその変更についてレビューします。決定において考慮される要因は、会社の資本全体、同業他社と比較した会社の業績、および会社とその業界の成熟度などが挙げられます。例えば、テクノロジー会社は従業員全体に広くオプションを採用している場合が多く、多少の希薄化が正当化される可能性があります。

適用される法的要件に会社の制度を収めるために提案された変更については、本アドバイザーのリーガルカウンセル(法律顧問)によってレビューされます。例えば、IRS第162条(m)項の開示要件に準拠するための役員賞与制度の変更は通常、承認されます。

本アドバイザーは通常、以下のような制度の採用または制度の変更に反対票を投じます。

  • 乱用に対する妥当な予防策を設けずに会社の支配権が変更された場合、すべてのストックオプションの即時の権利確定(以下の「買収防衛策の提案」を参照)

  • 指定された株数に対応して相応の削減を伴わずに、発行済みのストックオプションを低い行使価格でリセットする。本アドバイザーは通常、その効果を評価できないため、発行のために留保した株式数にかかわらず、ストックオプションの価格改定を明示的または過去に許可しているストックオプション制度の採用を反対します。

  • 制限付き株式の付与について3年よりも短い制限期間を設定する

  • 会社の業績に対する合理的な報奨を伴っていない、または

  • 会社の株式を過剰に希薄化する

一般的に本アドバイザーは、経営陣または株主が提出したかを問わず、買収の可能性や買収を実質的に阻止しようとしていると本アドバイザーが考える提案に反対票を投じます。ほとんどの場合、特定の企業の買収が実現すれば、株価は上昇します。買収防衛策を採用すれば、買収を仕掛けられるのを予防し、または阻止し、買収の完了を防ぐこともできます。そして、買収提案が保留になった場合には株価にマイナスの影響をもたらすこともあります。以下の項目は、具体的な買収防衛策の提案について示しています。

累積投票

本アドバイザーは、累積投票を採用する提案には賛成票を投じ、既に導入済みの累積投票を廃止する提案には反対票を投じます。ただし、会社がスタッガード・ボードとなっている場合を除きます。累積投票により、会社の少数株主の発言権が強まり、少数株主の代表が取締役会に参加できるチャンスが増えます。本アドバイザーは、累積投票の廃止が買収防衛策であると考えています。

スタッガード・ボード

会社が「スタッカード・ボード」を設定している場合、その取締役は1年以上の任期で選出され、毎年改選されるのは取締役会の一部のみです。したがって、買収を計画している企業は、議決権の過半数を支配したとしても、1年ですべての取締役を入れ替えることはできません。スタッカード・ボードは、取締役会のリーダーシップと方向性にある程度の継続性と安定性をもたらす可能性がありますが、本アドバイザーは、スタッカード・ボードは主として買収防衛策であると考えており、その設置には反対票、廃止には賛成票を投じます。ただし、本アドバイザーは、スタッカード・ボードの一員である取締役の再選に必ずしも反対票を投じるわけではありません。

「ブランクチェック(白地株式)」優先株式

ブランクチェック優先株により、取締役会は、株主の追加承認なしに優先株を発行することができ、優先株は、取締役会が設定する権利、優先権、特権、および制限が適用されます。敵対的買収の試みに対抗するために、取締役会はそのような株式を友好的買い手もしくは「ホワイトナイト」に発行する、または普通株式を希薄化して、買収を不可能もしくは魅力のないものにする優先株式への転換またはその他の権利を設定することが可能です。ブランクチェック優先株の賛成派は、株主投票の時間や費用を負担することなく、取締役会に資金調達、買収、またはその他の適切な企業目的を追求する柔軟性が与えられると主張しています。通常、本アドバイザーはブランクチェック優先株に反対票を投じます。ただし、本アドバイザーは、プロキシーステートメント(株主招集通知)において、かかる株式が財務手段として特定の適切な企業目的に対する使用に制限されていると開示されている場合は、ブランクチェック優先株に賛成することもあります。

新株引受権の廃止

会社が新株引受権を付与すると、既存の株主には新株が発行された場合に持株比率を据え置く機会が与えられます。新株引受権の廃止提案は、こうした権利を廃止しようとする経営陣の要求になります。

新株引受権は、株主の持株の希薄化を防げますが、会社が株式募集を通じて資本を調達したり、買収やその他の適切な企業目的のために株式を活用する能力を低下させる可能性もあります。したがって、新株引受権の付与は、普通株式の市場価値の低下につながる場合があります。長期的には、株主は新株引受権によって悪影響を受ける可能性があります。本アドバイザーは通常、新株引受権を付与する提案には反対票を投じ、新株引受権を廃止する提案には賛成票を投じます。

達成目標のない自社株買い

達成目標のない自社株買いは、通常、既存の株主が保有する株式の価値低下を防ぐために、会社の経営陣によって用いられます。達成目標のない自社株買いは、会社の良好な事業見通しに対する経営陣の確信を反映している可能性があります。本アドバイザーは、達成目標のない自社株買いの不利な影響を見いだせておらず、通常、会社の財務状況の分析を条件として、達成目標のない自社株買いの承認に賛成票を投じます。

授権普通株式の増発

普通株式の新株発行も、買収防衛策と見なすこともできますが、株主価値へのその影響は、ブランクチェック(白地株式)優先株式の採用ほど大きくないようにみえます。本アドバイザーは、増発案の金額と増発を求める目的や複数の目的を評価します。増発が過剰ではなく、適切な企業目的のために求められている場合、増発を承認します。適切な企業目的には、例えば株式分割や株式配当に対応するための追加株式の発行、買収提案に必要な追加株式、または従業員ストックオプション制度や従業員株式購入制度の行使時に留保する必要がある追加株式などが挙げられます。一般的に、本アドバイザーは、授権普通株式の上限100%までの増発には賛成票を投じ、100%を超える増発については、ケースバイケースで評価し、経営陣が増発について健全な正当な根拠を示した場合は賛成票を投じます。

「スーパーマジョリティ」条項や複数議決権株式クラス

「スーパーマジョリティ」条項は、会社の定款に、いかなる種類の会社買収を承認するためには「スーパーマジョリティ(圧倒的多数)」(66~90%の範囲)の株主と株主投票を必要とする条項を定めることです。複数議決権株式クラスは、1クラスの株主に、他の議決権クラスの株主よりも多くの1株当たりの議決権を付与します。本アドバイザーは、これらが標準的な買収防衛策であると考えており、通常は反対票を投じます。スーパーマジョリティ条項を導入すると、買収企業は買収の時間と費用がより多くかかります。複数議決権株式クラスは、経済的利益と不釣り合いに1つの株主グループに有利に作用します。共に、他の買収防衛策と組み合わせて提案される場合が多いです。

「公正価格」条項

これは、買収にあたりすべての株主に「公正」かつ均一な価格を支払うことを買収提案者に要求する別のタイプの定款の変更です。一般に、公正価格条項は、一部の株主が不利な条件で合併される可能性のある強制的な2段階の公開買付から株主を保護することを目的としています。また、公正価格条項は買収防衛に影響を与えますが、その採用は一般に、他の買収防衛策よりも株価への悪影響が少ないと考えられています。本アドバイザーは、すべての公正価格に関する提案を慎重に検討する方針です。一般的に、本アドバイザーは、株価がマイナスの影響を受けず、その提案が買収提案を阻止する効果がない可能性があると結論づけない限り、公正価格条項に対して反対票を投じます。

臨時株主総会招集権の制限

多くの州の会社法では、特定の持株比率の閾値(多くの場合は10%)に達した少数株主は、特別株主総会を招集することができます。この権利は、会社の定款を変更することによって廃止する(または閾値を引き上げる)ことができます。本アドバイザーは、臨時株主総会招集権は、少数株主にとって重要であると考えており、このような権利の廃止を買収防衛策とみなすため、本アドバイザーは通常、この権利を廃止しようとする提案に対しては反対票、この権利を復活させようとする提案については賛成票を投じます。

ポイズンピルまたはライツプラン

多くの企業が現在、ある種のポイズンピル制度(または別名ライツプラン制度)を採用しています。ポイズンピル制度は一般に、大量の株式取得など、特定の敵対的な事象が発生した場合に、追加の持分証券を発行するか、または持分証券を購入する権利を提供します。

ポイズンピル反対派は、この制度は株価を押し下げ、会社に対する提案を阻止し、経営陣を「強固に守る」作用をすると基本的に主張しています。ポイズンピルの賛成派は、経営陣が買収提案への対応により多くの時間をかけて活用できるため、株主はより良い価格を得られると基本的に主張しています。本アドバイザーは、ポイズンピル制度の潜在的な不利益が潜在的なメリットを上回っていると考えています。本アドバイザーは通常、あらゆる形態のポイズンピルに反対票を投じます。

ただし、本アドバイザーは、かなり期間限定で予防的効果のあるポイズンピルについてはケースバイケースで検討します。本アドバイザーは通常、当社の見解において株主により大きな価値をもたらす可能性が高い事業戦略に関連している場合、期間が3年未満の場合、および株主の承認で今期終了時に期限切れの制度を復活させる、または新しい制度を採用する必要がある場合、そのようなポイズンピルには賛成票を投じます。

ゴールデンパラシュート

ゴールデンパラシュートの取り決めでは、会社の買収または支配権の変更の結果として解任された経営幹部に相当額の報酬を提供します。そのような仕組みにおいて金額が合理的であれば、おそらく買収対策効果はわずかしかありません。投票では、本アドバイザーは提示された計画の詳細を評価します。

再法人化

新たな形の再法人化は、一連の買収防衛策パッケージの一環として提案されることが多いです。複数の州(ペンシルバニア、オハイオ、インディアナなど)は、買収を大いに思いとどまらせるようなある種の法律を制定しています。経営陣は、特にデラウェア州は、企業買収を扱う法律や判例法がかなり整備されているため、企業の所在地として有益であると考えています。

本アドバイザーは、ケースバイケースで再法人化の提案を検討します。一般に、本アドバイザーが、再法人化によって買収防衛が強化されると考える場合、再法人化の提案に反対します。本アドバイザーはまた、取締役が株主の利益より株主以外の利益を承認できると規定する法域での再法人化の提案に反対します。合法的な事業目的として再法人化が提案され、上記に示した悪影響がない場合、本アドバイザーは通常、賛成票を投じます。

無記名投票

「無記名投票」をこれまで採用していない企業は、経営陣が株主投票の結果を見ることができます。このため、経営陣は、反対票を投じた株主に連絡して、その投票内容を変更してもらう機会を得られます。

無記名投票の支持者は、無記名投票により、株主は自らの決定に影響を与えようとする経営陣からの圧力を受けないというメリットに基づいて、すべての議題に投票できると主張しています。反対派は、無記名投票はより費用がかかり不必要であり、また名義人の名前での株式保有により、株主の秘密が守られると主張しています。本アドバイザーは、投票の匿名性を保証する唯一の方法は無記名投票であり、無記名投票のメリットは、無記名投票システムを管理するための追加コストの増分を上回ると考えています。したがって、本アドバイザーは通常、無記名投票を採用する提案に賛成票を投じます

州の買収法へのオプトインまたはオプトアウト

州の買収法は一般的に、その州で設立された企業の買収をより困難にさせることを目的としています。本アドバイザーは、合併や買収の提案を受け入れるか拒否するかの決定は、買収を計画している企業の持株比率の閾値または待機期間を課す可能性のある不当に制限的な州法なしに、株主によって行われるべきであると考えています。したがって、本アドバイザーは通常、制限的な州の買収法のオプトアウトに賛成票を投じます。

本アドバイザーは、合併、買収、企業再編などの取引関連の提案をケースバイケースで検討し、取引がそれぞれの顧客勘定に与える影響を考慮します。合併提案の承認など、場合によっては、各勘定に保有されている有価証券に応じて、取引が顧客勘定に異なる影響を与える場合があります。例えば、合併が顧客勘定にとって最善の利益になるかどうかは、勘定が買収企業と被買収企業の両方の株式をどの程度の割合で保有しているかによって影響を受ける可能性があります。このような状況では、本アドバイザーは、同一取引に関連する提案で勘定に組み入れられている株式に対し異なる投票をすることが勘定の最善の利益になると判断する場合があります。

環境、社会、ガバナンス(ESG)問題に関わる提案

本アドバイザーは、特定のESG要因が発行体の長期的な財務実績に影響を与える可能性があると考えています。当社のサステナブル・リサーチ・チームが議決権行使の提案の基礎となるESG課題の財務上の重要性、潜在的リスク、または経済的影響をケースバイケースで分析し、それに基づいて本アドバイザーが検討して議決権行使に関する推奨を行う議決権行使の実務に適用されます。サステナブル・リサーチ・チームは通常、提案、その経済的影響、および長期的な株主価値を最大化する可能性との間に重要な関連性があると判断した場合、適切に的を絞りこんだESG提案を支持するように推奨します。

そのような提案がもたらす経済的影響が不明確であり、具体的な書面による顧客マンデートがない場合、本アドバイザーは、本アドバイザーの顧客の見解を正確に反映する方法で投票する方法を識別することは一般的に不可能であると考えています。したがって、本アドバイザーは、その評価が合理的ではないと考えた場合、一般的に経営陣の評価に依拠します。

また、株主は、現行の法律や規制の対象となる提案を提出することもできます。そのような提案の例には、政治行動委員会への企業献金の開示を要求する提案や、企業に職場における禁煙方針の採用を要求する提案が含まれます。本アドバイザーは、そのような提案は企業の外でより適切に対処される場合があると考えており、潜在的な経済的影響がなければ、通常は経営陣の推奨に基づいて投票します。さらに、本アドバイザーは通常、企業が既存の直接的な適用法の要件の範囲を超える慣行や手続きを採用することを要求する提案には反対票を投じます。

反グリーンメールに関する提案

「反グリーンメール」に関する提案は一般に、株主の投票なしに、企業が5%以上の株主の持分にプレミアムを支払って買い戻す、または買い取る権利を制限します。経営陣は、会社の最善の利益になると考えているのであれば、大株主からプレミアムを支払って買い戻す取引について交渉を制限しない方が良いと主張する場合が多いです。機関投資家の株主は一般的に、すべての株主が会社の資産の利用についてこのような重大な場合は投票できるはずだと考えています。本アドバイザーは、同社が大量の株式をプレミアム価格で買い戻す場合、株主投票の対象とすべきであると考えています。したがって、一般的に反グリーンメールに関する提案には賛成票を投じます。

免責

本アドバイザーは、通常、適用州法に従って役員および取締役を免責するという企業の提案に賛成票を投じます。多くの場合、免責の取り決めは、資質のある取締役を引きつけて維持するためには必要です。このような提案の採用は、株式価値にほとんど影響を与えないようにみえます。

株式以外のインセンティブ制度

経営陣は、従業員の業績を活性化させるために、様々な現金で支払うインセンティブ制度や賞与制度を提案する可能性があります。通常、ほとんどのインセンティブ制度に必要とされる現金や他の会社の資産は重大な影響をもたらさず、特に給与開示要件に関するIRS第162条(m)項の開示要件に準拠するために提案が推奨される場合、本アドバイザーはそのような提案に賛成票を投じます。提案された制度によって移転される株主価値の金額の妥当性については、ケースバイケースで決定されます。

取締役の任期

これらの提案は、年齢と任期に関する制限を取締役会に課すことを求めています。本アドバイザーは、こういった種類の包括的な制限は必ずしも株主にとって最善の利益になるとは限らないと考えています。したがって、経営陣によって推奨されていない限り、このような提案に反対票を投じます。

取締役のストックオプション制度

本アドバイザーは、ストックオプションが取締役の適切な報酬形態であると考えており、本アドバイザーは通常、合理的であり、かつ過剰な株主の希薄化を招かない限り、取締役のストックオプション制度に賛成票を投じます。こうした提案については、ケースバイケースで分析を行い、分析では、取締役会の報酬合計と、ストックオプション制度により生じる希薄化に対する会社のリスク総額を考慮します。

取締役の株式保有

本アドバイザーは通常、取締役が取締役会に参加するために最低数の会社株式を保有することを要求する株主提案に反対票を投じます。こうした株式保有は、取締役の判断ですべきであると考えているためです。

米国以外の議決権行使

本アドバイザーは、一般に、ここに示されている議決権行使の方針に照らして米国以外の議決権行使について評価しますが、実行可能である場合、投票するかどうか、またどのように投票するかを決定する際に、関連する外国市場の様々な法律、規制、および慣行も考慮します。また、米国外への投資に伴う実用性とコストが株式の議決権行使に不利になる状況もあります。例えば、本アドバイザーは通常、株式売買凍結(シェア・ブロッキング)期間の制限が適用される状況、総会への直接の出席が必要とされる場合、または現在の持株比率の開示が必要な場合に議決権を行使しません。

議決権行使助言サービスの利用

本アドバイザーは、議決権行使に関連するサービスを提供するために、議決権行使助言会社を雇うことがあります。これには、株主総会の日程とプロキシーステートメント(株主招集通知)などの資料に関する情報の提供、外国語で印刷された同資料の翻訳、ここに示された議決権行使の方針に従った議決権行使に関する提案および議決権に関する推奨に関する調査の提供、議決権行使の投票を支援するシステムの提供、行使した議決権に関する報告書の提供と届出の作成のサポートが含まれますが、これらに限定されません。

議決権行使助言会社を選抜する際、その後は定期的に、本アドバイザーは、議決権行使助言会社が議決権問題を適切に分析する能力と資質、および重要かつ正確な情報に基づいて公平な方法で推奨を行う能力を持っているかどうかを考慮します。そのような考慮事項には、以下の一部またはすべてが含まれる場合があります。(i)投票が本アドバイザーの方針および顧客の最善の利益に沿っているかどうかを判断するために、会社のシステムを通じて投じられた投票の定期的なサンプリング、(ii)議決権行使助言会社のオフィスへの現地訪問および/または、会社が本アドバイザーのためにその責務を遂行するためのリソース(人員配置、人員、技術など)の能力と資質を持ち続けているどうかを判断するための会社との話し合い、(iii)利益相反の特定と対処、および推奨の作成に最新かつ正確な情報が使用されているかのモニタリングを中心とした、会社の方針および手続のレビュー、(iv)会社の重要な方針および手続きに変更があった場合に会社が本アドバイザーに通知するように要求、特に利益相反、または重要なビジネス慣行(例えば、新規の事業分野への参入または撤退など)、およびそうした変更のレビューについて、および(v)会社が誤りを犯した場合は、その誤りについて話し合い、適切な是正措置および予防措置が講じられているかどうかの判断。本アドバイザーは、議決権行使助言会社が提供したリサーチや議決権行使の推奨に誤りを発見した場合、その誤りを調査するために妥当な措置を講じ、同社が今後同様の誤りを削減するための妥当な措置を講じるかどうかを判断することに努めます。

本アドバイザーは、独立した議決権行使助言サービスを含む数多くの情報源からの情報を考慮に入れるものの、議決権行使の投票方法に関する決定は、これらの方針に従って行います。

潜在的な利益相反のモニタリング

企業経営陣は、株主に提出された提案の結果に強い関心を持っています。その結果として、経営陣は、特に物議を醸す問題について、推奨を示して大株主に投票するように働きかけようとすることが多々あります。大半の場合、これらの大株主とのコミュニケーションは、経営陣の立場を擁護する以上のものではなく、提示された問題について本アドバイザーのスタッフに追加質問の機会を与えるだけです。本アドバイザーが直接的な取引関係を持つ企業は理論上、これらの関係を行使して、本アドバイザーがその顧客に関する問題への投票の仕方に不当な影響を及ぼそうとする可能性があります。このような利益相反が本アドバイザーの顧客のための議決権行使の投票に影響を及ぼさないようにするため、当社の議決権行使担当者は、本アドバイザーが重要な取引関係を持っている企業の目録を定期的に作成し、これらの企業に対するすべての裁量的(ケースバイケースを含む)な投票は、顧客または顧客責任を負う適切な受託者(例えば、ファンドの独立取締役の委員会または退職金制度の受託者)が投票を行います。

さらに、アメリカン・センチュリー・インベストメンツのあるファンドが別のアメリカン・センチュリー・インベストメンツのファンドの株式を所有している場合に発生する可能性のある利益相反を回避するために、可能であれば、本アドバイザーはそのような株式に対して「エコー投票」を行います。エコー投票とは、本アドバイザーが当該ファンドの株式の他のすべての保有者の議決権と同じ割合で株式に投票することを意味します。したがって、例えば、ファンドの株主が提案に対してその議決権の80%を賛成票に、20%を反対票に投じた場合、そうしたファンドの株式を所有するアメリカン・センチュリー・インベストメンツのファンドは、その株式に対して賛成票を80%、反対票を20%投じることになります。これが不可能な場合(他のアメリカン・センチュリー・インベストメンツのファンドが唯一の株主である「NT」ファンドの場合など)、基礎となるファンド(例えば、「NT」ファンド)の株式は、両方のファンドに共通する提案について、関連するアメリカン・センチュリー・インベストメンツのポリシーポートフォリオの投票と同じ割合で議決権を行使します。例えば、NTグロースファンドの株式は、グロースファンドの株主の投票に従ってエコー投票されます。ポリシーポートフォリオに共通の提案がない場合、独立取締役の委員会と協議して、株式の議決権が行使されます。

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上記の議決権行使の方針は当然ながら、特定の状況下で変更される可能性があり、随時再検討されます。上記のカテゴリーに該当しない事項に関しては、本アドバイザーは受託者として最善の判断を行い、株主価値を最も高める方法で投票します。

ケースバイケースの決定は、本アドバイザーのゼネラルカウンセルが監督する本アドバイザーのスタッフが、株式のファンドマネージャーと協議して行います。実施された投票はすべて電子記録で保存します。

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