議決権行使の方針
アメリカン・センチュリー・インベストメント・マネジメント・インク(「本アドバイザー」)は、アメリカン・センチュリーのファミリーファンドを含め、助言を提供する様々な顧客の投資運用会社です。そのような立場において、本アドバイザーは、管理する特定の勘定に保有されている投資に関して議決権を行使する権限を委ねられています。以下は、本アドバイザーが採用している議決権行使の方針(「本方針」)に関するステートメントです。特定の顧客に委任された議決権行使の権限において、本アドバイザーは、顧客によって採用され、通知を受けて書面で受諾した特定の方針に従い、またはそれに基づき、以下の方針を適用します。
I.一般原則
顧客に議決権行使サービスを提供するにあたり、本アドバイザーは、一般的な受託者の原則に従い、顧客の利益のみに焦点を当てて慎重に行動しなければならず、顧客の利益よりも無関係な目的を優先させることはしません。これらの方針に別段の記載がある場合を除き、本アドバイザーは、管理する顧客勘定に保有されている投資に関して、ベスト・エフォートを尽くしてすべての議決権を行使します。本アドバイザーが、特定の投資先企業における議決権の行使に要するコストや事務的負担がファンドの株主の利益を上回ると判断した場合、議決権を行使しないことがあります。本アドバイザーは、投資の価値に影響しうるその投票についてあらゆる要因を考慮するように努めます。
ほとんどの場合、本アドバイザーはすべての顧客勘定において整合するように議決権を行使しますが、投票は各顧客の最善の利益に基づいて行われます。その結果として、本アドバイザーが管理する勘定は、同一提案に対して異なる投票を行う場合があります。勘定の議決権行使が本アドバイザーが管理する他の勘定と異なる場合の事例には委任状争奪戦および合併提案がありますが、これらに限定されません。つまり、本アドバイザーは、株主価値を最大化するために最も効果的であると考える方法で議決権を行使します。
A. 米国以外の議決権行使
本アドバイザーは、一般に、本方針に照らして米国以外の議決権行使について評価しますが、実行可能である場合、投票するかどうか、またどのように投票するかを決定する際に、関連する外国市場の様々な法律、規制、および慣行も考慮します。また、米国外への投資に伴う実用性とコストが株式の議決権行使に不利になる状況もあります。例えば、本アドバイザーは通常、株式売買凍結(シェア・ブロッキング)期間の制限が適用される状況、総会への直接の出席が必要とされる場合、または現在の持株比率の開示が必要な場合に議決権を行使しません。
B. スチュワードシップとエンゲージメント
本アドバイザーは長期保有者として、かつスチュワード活動の一環として、議決権行使において必要な追加情報を得る機会を持つため、投資先企業の経営陣と定期的に対話します。
C. サステナビリティの事項に関連する提案
本アドバイザーは、株主価値の最大化を目指して議決権を行使し、特定のサステナビリティの事項は企業の長期的な財務業績に影響を及ぼす可能性があると考えています。提案の根底にあるサステナビリティ事項の財務的な重要性、潜在的なリスクや経済的影響をケースバイケースで検討し、最終的には各チームのポートフォリオ・マネージャーが議決権行使の判断を下します。
マンデートにサステナビリティへの配慮を組み込んでいるポートフォリオのポートフォリオ運用チームは、成果の向上を目的としてサステナビリティへの配慮を重視して議決権を行使することがあります。
D. 例外的な議決権行使
本アドバイザーは、勘定の投資目標の最大化に最も資すると考える場合、本方針に反する投票を行う権利を有しています。
II.特定の議決権行使に関する事項
A. 定例の事項
1.取締役の選任
a) 一般事項:(i) 本アドバイザーは通常、独立取締役が取締役会の過半数を占めることになる取締役の選任を支持します。(ii) 一般的に、本アドバイザーは、経営陣による取締役の候補者に対立候補がいない場合、賛成票を投じます。本アドバイザーは、経営陣が取締役の資質、および特定の取締役会のニーズと動向を評価するにあたり最良の立場にあると考えています。(iii) 委任状争奪戦において経営陣の候補者に対立候補がいる場合、本アドバイザーは公表されている候補者の経営方針および経営目標に基づき、どの候補者が株主価値の最大化に最も資する可能性が高いかを評価し、あわせて現職候補者のこれまでの実績も評価します。 (iv) 本アドバイザーは、資質がない、または犯罪行為の疑いや受託者責任の違反など、その個人に関する具体的な懸念があると考える候補者に反対票を投じる権利を有しています。(v) 本アドバイザーが取締役の候補者に関して検討する可能性のある追加情報は以下のとおりですが、これに限定されません。(1)取締役会の会合での度重なる欠席に対する適切な説明を示しているか、(2)候補者は取締役会以外の報酬を受け取っているか、(3)候補者と会社の最高経営責任者または支配株主との間に家族関係があるか、および/または(4)候補者は、他の上場企業の取締役会での職務状況を踏まえ、十分な時間と責任感をもって効果的に職務を遂行できるか。
b) 委員会のサービス:本アドバイザーは、取締役会の監査委員会および/または報酬委員会の委員を務める非独立取締役に対する投票を保留します。
c) 取締役会の分類:本アドバイザーは、期差任期制の取締役会は買収防衛策の一つであると考えていますが、期差任期制は通常、少数株主の利益にはなりません。したがって、本アドバイザーは通常、期差制の廃止を目指す提案を支持します。さらに、本アドバイザーは、期差任期の取締役会構造を採用しようとする取り組みに反対します。
d) 独立取締役が過半数の取締役会:本アドバイザーは、独立取締役が取締役会の過半数を占めるように要求する提案を支持します。本アドバイザーは、独立取締役が過半数を占めれば、客観的な意思決定の促進と、株主に対する説明責任の強化が促されると考えています。
e) 取締役選任に対する過半数投票の基準:本アドバイザーは通常、取締役選任において投票総数の過半数賛成票によって取締役が選任されるよう求める提案に賛成票を投じます。ただし、激戦の場合は、かかる提案では相対多数の投票基準を可能にすることを条件とします。本アドバイザーは、企業の取締役会が取締役の辞任方針など、代替手段を採用し、過半数の議決権基準に代わる有意義な代替手段を提供し、無競争の選任の場合に現職の取締役が投票総数の過半数支持を得られない状況に適切に対処する代替手段を採用している場合、そのような株主提案に反対票を投じることを検討する場合があります。
f) CEOと会長の分離:本アドバイザーは通常、取締役会の過半数が独立取締役である場合、独立した取締役会会長を要求する株主提案には反対します。一方、取締役会の過半数が独立取締役ではない場合、本アドバイザーは通常、CEOと取締役会会長の役割を分離する経営陣の提案には賛成票を投じます。
g) 保留キャンペーン:本アドバイザーは通常、かかる行動が上記の節1(a)から1(f)に記載される原則を推進する場合、取締役に対する投票の保留を株主に求める提案を支持します。
h) 取締役の免責:本アドバイザーは通常、適用州法に従って役員および取締役を免責するという企業の提案に賛成票を投じます。多くの場合、免責の取り決めは、資質のある取締役を引きつけて維持するためには必要です。
2.監査人選任の承認
本アドバイザーは通常、会社に最善のサービスを提供する独立監査人の選任では、投資先企業の監査委員会の判断に依拠します。本アドバイザーは、監査人の独立性が最も重要であると考えており、独立性が損なわれているようにみえる監査人に反対票を投じます。本アドバイザーは通常、以下を含み、指名された監査人に利益相反が生じている、または生じる可能性がある場合、当該監査人に反対票を投じます。(a)監査人に当該企業の金銭的利害又は関係があるため、独立性が保たれない場合、(b)被監査報酬が監査報酬に照らして過剰である場合、(c)監査法人の任期が過剰に長い場合、または(d)監査人が当該企業の財務的状況の正確でも示唆でもない見解を表明していると思われる理由が存在する場合。
B. 報酬に関する事項
1.役員および取締役の報酬
a) 報酬に関する勧告的決議:本アドバイザーは、役員報酬に関する勧告的決議(セイ・オン・ペイ議案)に反対票を投じる、過剰だと判断する特定の報酬制度や報酬制度の改訂に反対票を投じる、または報酬委員会のメンバーに対する投票を保留するなど、報酬に対する懸念を伝える効果的な方法はいくつかあると考えています。本アドバイザーは、勧告的決議ではケースバイケースで検討して投票を行い、リスク軽減の仕組みが不十分である、または役員報酬が、(i)株主利益に合致しない、(ii)金額が法外、または(iii)全体として会社の業績に有意義に連動していないと判断するなどの具体的な懸念が存在する場合を除き、通常は経営陣の提案を支持します。
b) 報酬に関する勧告的決議の頻度:本アドバイザーは通常、勧告的決議の頻度について3年ごとの選択肢を支持しますが、別のアプローチについて経営陣の勧告を検討します。
c) インセンティブ報酬のクローバック:本アドバイザーは、投資先企業に対し、過度なリスクテイクを助長したり、経営陣がリスク管理および監視に失敗した場合の責任を免除したりすることのない役員報酬制度の設計を求めています。本アドバイザーは通常、過度なリスクテイクの可能性を抑制する手段として、役員報酬制度に適切に設計されたクローバック条項を盛り込むことを支持します。本アドバイザーは、会社がこれまでに財務諸表を修正再表示したことや重要な財務上の問題があったかどうか、およびその他の関連性があると判断するあらゆる要因を考慮して、報酬のクローバック条項案を評価します。
d) 取締役のストックオプション制度:本アドバイザーは、ストックオプションが取締役の適切な報酬形態であると考えており、本アドバイザーは通常、合理的であり、かつ過剰な株主の希薄化を招かない限り、取締役のストックオプション制度に賛成票を投じます。こうした提案については、ケースバイケースで分析を行い、分析では、取締役会の報酬合計と、ストックオプション制度により生じる希薄化に対する会社のリスク総額を考慮します。
2.株式報酬制度
本アドバイザーは、株式報酬制度は、株主が投票する権利がある経済的に重要な問題であると考えています。本アドバイザーは、株式報酬制度が望ましい従業員を惹きつけて維持するのに有効であることを認識しています。株主価値の最大化のためにこの制度を適切に活用する場合、かかる制度に伴う費用を測定する必要があります。本アドバイザーは、ストックオプションやストックボーナスなどの株式報酬制度、または追加株式による株式報酬制度の補充を含む報酬制度の重要な修正を分析する場合があります。
本アドバイザーは、以下のような株式報酬制度の条件に基づき、当該報酬制度の初期導入、または追加株式による補充を目的としたその後の改訂に反対票を投じる場合があります。
乱用に対する妥当な予防策を設けずに、会社の支配権が変更された場合、すべてのストックオプションを即時に権利確定する(以下の「買収防衛策の提案」を参照)。
指定された株数に対応して相応の削減を伴わずに、発行済みのストックオプションを低い行使価格でリセットする。本アドバイザーは通常、その効果を評価できないため、発行のために留保した株式数にもかかわらず、ストックオプションの価格改定を明示的または過去に許可しているストックオプション制度の採用を反対します。
制限付き株式の付与について3年よりも短い制限期間を設定する。
報酬が会社の業績と適切に連動していない(特に、適切な報酬の権利確定指標の選定に関連する場合。絶対的指標と相対的指標の両方が含まれることが理想的)。
会社の株式を過剰に希薄化する決定において考慮される要因は、会社の全体的な時価総額、同業他社と比較した会社の業績、および会社とその業界の成熟度などが挙げられます。例えば、テクノロジー会社は従業員ベース全体に広くオプションを採用している場合が多く、多少の希薄化が正当化される可能性があります。
3.株式以外のインセンティブ制度
経営陣は、従業員の業績を活性化させるために、様々な株式を使わない、現金で支払うインセンティブ制度や賞与制度を提案する可能性があります。一般的に、ほとんどのインセンティブ制度で必要となる現金やその他の会社資産は重要ではないため、本アドバイザーはこうした提案に賛成票を投じます。提案された制度によって移転される株主価値の金額の妥当性については、ケースバイケースで決定されます。
C. 株主の権利
1株1票:本アドバイザーは通常、特別またはスーパー議決権のある株式クラスの排除、および単一クラス議決権構造の確立など、株主の議決権の平等化を図る議案を支持します。
臨時株主総会招集権:多くの州の会社法では、特定の持株比率の閾値に達した少数株主は、特別株主総会を招集することができます。この権利は、会社の定款を変更することによって廃止する(または閾値を引き上げる)ことができます。本アドバイザーは、臨時株主総会招集権は、少数株主にとって重要であると考えており、このような権利の廃止を買収防衛策とみなすため、本アドバイザーは通常、この権利を廃止しようとする提案に対しては反対票、この権利を復活させようとする提案については賛成票を投じます。
書面の同意により行動する権利:本アドバイザーは通常、その時点で会社が株主に臨時総会を招集する権利、または書面の同意により行動する権利を与えていない場合、書面の同意により株主が行動できるよう求める議案に賛成票を投じます。一方、本アドバイザーは通常、会社が株主に臨時総会を招集する権利を与えている場合、書面の同意に関する議案に反対票を投じます。
プロキシー・アクセス:本アドバイザーは、条件を満たす株主がプロキシーステートメント(株主招集通知)を通じて一定数の取締役候補を指名できる権利を持つことはコーポレートガバナンスに資する可能性があると考えています。したがって、本アドバイザーは通常、バランスの取れた制限が設けられたプロキシー・アクセス・ルールを導入する提案には賛成票を投じます。こうした提案について検討する際には、以下のような条件を考慮します。(i) 提案された所有割合および保有期間、(ii) 株主が毎年指名できる取締役の上限比率、(iii) 提案に含まれているその他の重要な制限。
D. 買収防衛策の提案
一般的に本アドバイザーは、経営陣または株主が提出したかを問わず、買収の可能性や買収を実質的に阻止しようとしていると本アドバイザーが考える提案に反対票を投じます。ほとんどの場合、特定の企業の買収が実現すれば、株価は上昇します。買収防衛策を採用すれば、買収を仕掛けられるのを予防し、または阻止し、買収の完了を防ぐこともできます。そして、買収提案が保留になった場合には株価にマイナスの影響をもたらすこともあります。一定の状況下で、本アドバイザーは、特定の状況に対応しており、焦点が絞られており、状況に適切に連動するサンセット条項がある場合には、支配権保護策に賛成票を投じる場合があります。
以下の項目は、具体的な買収防衛策の提案について示しています。
1. スタッガード・ボード
会社が「スタッガード・ボード」を設定している場合、その取締役は1年以上の任期で選出され、毎年改選されるのは取締役会の一部のみです。したがって、買収を計画している企業は、議決権の過半数を支配したとしても、1年ですべての取締役を入れ替えることはできません。スタッガード・ボードは、取締役会のリーダーシップと方向性にある程度の継続性と安定性をもたらす可能性がありますが、本アドバイザーは、スタッガード・ボードは主として買収防衛策であると考えており、その設置には反対票、廃止には賛成票を投じます。ただし、本アドバイザーは、スタッガード・ボードの一員である取締役の再選に必ずしも反対票を投じるわけではありません。
2. 累積投票
累積投票は、特に会社がスタッガード・ボード(期差任期制の取締役会)を維持している場合、少数株主の発言力を強め、少数株主の代表が取締役会に加わる可能性を高めます。
したがって、会社がスタッガード・ボードを導入している場合、本アドバイザーは、a) 累積投票を導入する提案には賛成票を投じ、 b) すでに導入されている累積投票を排除する提案には反対票を投じます。
3. 「ブランクチェック(白地株式)」優先株式
ブランクチェック優先株により、取締役会は、株主の追加承認なしに優先株を発行することができ、優先株は、取締役会が設定する権利、優先権、特権、および制限が適用されます。敵対的買収の試みに対抗するために、取締役会はそのような株式を友好的買い手もしくは「ホワイトナイト」に発行する、または普通株式を希薄化して、買収を不可能もしくは魅力のないものにする優先株式への転換またはその他の権利を設定することが可能です。ブランクチェック優先株の賛成派は、株主投票の時間や費用を負担することなく、取締役会に資金調達、買収、またはその他の適切な企業目的を追求する柔軟性が与えられると主張しています。通常、本アドバイザーはブランクチェック優先株に反対票を投じます。ただし、本アドバイザーは、プロキシーステートメント(株主招集通知)において、かかる株式が財務手段であるなど、特定の適切な企業目的に対する使用に制限されていると開示されている場合は、ブランクチェック優先株に賛成することもあります。
4. 新株引受権の廃止
会社が新株引受権を付与すると、既存の株主には新株が発行された場合に持株比率を据え置く機会が与えられます新株引受権の廃止提案は、こうした権利を廃止しようとする経営陣の要求になります。
新株引受権は、株主の持株の希薄化を防げますが、会社が株式募集を通じて資本を調達したり、買収やその他の適切な企業目的のために株式を活用する能力を低下させる可能性もあります。したがって、新株引受権の付与は、普通株式の市場価値の低下につながる場合があります。長期的には、株主は新株引受権によって悪影響を受ける可能性があります。本アドバイザーは通常、新株引受権を付与する提案には反対票を投じ、新株引受権を廃止する提案には賛成票を投じます。
5. 達成目標のない自社株買い
達成目標のない自社株買いは、通常、既存の株主が保有する株式の価値低下を防ぐために、会社の経営陣によって用いられます。達成目標のない自社株買いは、会社の良好な事業見通しに対する経営陣の確信を反映している可能性があります。本アドバイザーは、達成目標のない自社株買いの不利な影響を見いだせておらず、通常、会社の財務状況の分析を条件として、達成目標のない自社株買いの承認に賛成票を投じます。
6. 授権普通株式の増発
普通株式の新株発行も、買収防衛策と見なすこともできますが、株主価値へのその影響は、ブランクチェック(白地株式)優先株式の採用ほど大きくないようにみえます。本アドバイザーは、増発案の金額と増発を求める目的や複数の目的を評価します。増発が過剰ではなく、適切な企業目的のために求められている場合、本アドバイザーは通常、増発を承認します。適切な企業目的には、例えば株式分割や株式配当に対応するための追加株式の発行、買収提案に必要な追加株式、または従業員ストックオプション制度や従業員株式購入制度の行使時に留保する必要がある追加株式などが挙げられます。一般的に、本アドバイザーは、授権普通株式の増発については、現発行済株式およびその他のあらゆる合法的な企業目的に備えるための確保済株式の上限100%までは賛成を投じ、100%を超える増発については、ケースバイケースで評価し、経営陣が増発について健全かつ正当な根拠を示した場合は賛成票を投じます。
7. 「スーパーマジョリティ」条項
「スーパーマジョリティ」条項とは、会社の定款に定められる条項であり、買収の種類を問わず、会社買収の承認には、単純過半数(通常66~90%の範囲)を上回る株主の賛成を要することを定めています。
スーパーマジョリティ条項を導入すると、買収企業は買収の時間と費用がより多くかかります。したがって、本アドバイザーは通常、スーパーマジョリティ条項の導入に反対票を投じ、同条項の削除には賛成票を投じます。
8. 「公正価格」条項
「公正価格」条項は、買収にあたりすべての株主に「公正」かつ均一な価格を支払うことを買収提案者に要求する別のタイプの定款の変更です。一般に、公正価格条項は、一部の株主が不利な条件で合併される可能性のある強制的な2段階の公開買付から株主を保護することを目的としています。また、公正価格条項は買収防衛に影響を与えますが、その採用は一般に、他の買収防衛策よりも株価への悪影響が少ないと考えられています。本アドバイザーは、すべての公正価格に関する提案を慎重に検討する方針です。一般的に、本アドバイザーは、株価がマイナスの影響を受けず、その提案が買収提案を阻止しない可能性が高いと結論づけない限り、公正価格条項に対して反対票を投じます。
9. ポイズンピルまたはライツプラン
一部企業は、ある種のポイズンピル制度(または別名ライツプラン制度)を採用しています。ポイズンピル制度は一般に、大量の株式取得など、会社の取締役会が敵対的とみなす特定の事象が発生した場合に、追加の持分証券を発行するか、または持分証券を購入する権利を提供します。
ポイズンビル反対派は、この制度は株価を押し下げ、会社に対する提案を阻止し、経営陣を「強固に守る」作用をすると基本的に主張しています。ポイズンビルの賛成派は、経営陣が買収提案への対応により多くの時間をかけて活用できるため、株主はより良い価格を得られると基本的に主張しています。本アドバイザーは、ポイズンビル制度の潜在的な不利益が潜在的なメリットを上回っていると考えています。本アドバイザーは通常、あらゆる形態のポイズンピルに反対票を投じます。
ただし、本アドバイザーは、かなり期間限定で予防的効果のあるポイズンピルについてはケースバイケースで検討します。本アドバイザーは通常、その見解において株主により大きな価値をもたらす可能性が高い事業戦略に関連している場合、期間が3年未満の場合、および株主の承認で今期終了時に期限切れの制度を復活させる、または新しい制度を採用する必要がある場合、そのようなポイズンピルには賛成票を投じます。
10. 支配権変更契約
支配権変更(ゴールデン・パラシュート)契約は、企業の買収や支配権変更の結果として解任された経営幹部に多額の報酬を支給するものです。そのような仕組みにおいて金額が合理的であれば、おそらく買収対策効果はわずかしかありません。議決権行使において、本アドバイザーは、提示された仕組みの詳細を評価します。本アドバイザーが当該契約の採用または延長に反対票を投じる可能性のある特徴には、以下が含まれます。(a) シングルトリガーまたは修正シングルトリガーによる現金の退職金支給、(b) シングルトリガーによる未確定株式報酬の支給、(c) 過剰な現金退職金(基本給とボーナスの合計の3倍以上)、特に受取人、会社、または双方に税務上の不利な結果を招く場合、(d) エキサイズ税の補填(グロスアップ)が発生し、実際に支払われる場合(単なる補填条項の記載ではなく)、(e) 支配権変更時の支払いが過剰(絶対額または取引額に対する割合が大きすぎる場合)、(f) 最近の契約変更によって問題のある特徴(上記のようなもの)が追加された場合、または最近の行動(例えば、異常な株式報酬の付与)によって株主の最善の利益にかなわない合併契約に影響を与える可能性がある場合、(g) 提案された取引は支配権変更に関する諮問投票の株主承認を条件とすると会社が主張している場合。
11. 再法人化
新たな形の再法人化は、一連の買収防衛策パッケージの一環として提案されることが多いです。複数の州が、何らかの法律により買収を強く抑止しています。本アドバイザーは、ケースバイケースで再法人化の提案を検討します。
一般に、本アドバイザーが、再法人化によって買収防衛が強化されると考える場合、再法人化の提案に反対します。また、本アドバイザーは通常、取締役が株主の利益より株主以外の利益を承認できると規定する法域での再法人化の提案に反対します。合法的な事業目的として再法人化が提案され、上記に示した悪影響がない場合、本アドバイザーは通常、賛成票を投じます。
12. 無記名投票
「無記名投票」をこれまで採用していない企業は、経営陣が株主投票の結果を見ることができます。このため、経営陣は、反対票を投じた株主に連絡して、その投票内容を変更してもらう機会を得られます。
無記名投票の支持者は、無記名投票により、株主は自らの決定に影響を与えようとする経営陣からの圧力を受けないというメリットに基づいて、すべての議題に投票できると主張しています。反対派は、無記名投票はより費用がかかり不必要であり、また名義人の名前での株式保有により、株主の秘密が守られると主張しています。本アドバイザーは、投票の匿名性を保証する唯一の方法は無記名投票であり、無記名投票のメリットは、無記名投票システムを管理するための追加コストの増分を上回ると考えています。したがって、本アドバイザーは通常、無記名投票を採用する提案に賛成票を投じます。
13. 州の買収法へのオプトインまたはオプトアウト
州の買収法は一般的に、その州で設立された企業の買収をより困難にさせることを目的としています。本アドバイザーは、合併や買収の提案を受け入れるか拒否するかの決定は、買収を計画している企業の持株比率の閾値または待機期間を課す可能性のある不当に制限的な州法なしに、株主によって行われるべきであると考えています。したがって、本アドバイザーは通常、制限的な州の買収法のオプトアウトに賛成票を投じます。
E. 取引関連の提案
本アドバイザーは、合併、買収、企業再編などの取引関連の提案をケースバイケースで検討し、取引がそれぞれの顧客勘定に与える影響を考慮します。合併提案の承認など、場合によっては、各勘定に保有されている有価証券に応じて、取引が顧客勘定に異なる影響を与える場合があります。例えば、合併が顧客勘定にとって最善の利益になるかどうかは、勘定が買収企業と被買収企業の両方の株式をどのぐらいの割合で保有しているかによって影響を受ける可能性があります。このような状況では、本アドバイザーは、同一取引に関連する提案で勘定に組み入れられている株式に対し異なる投票をすることが勘定の最善の利益になると判断する場合があります。
F. その他
株主提案による議案:株主が提出した提案については、その提案と、それによる経済的影響、長期的な株主価値を最大化する可能性との関連性を評価します。提案の経済的影響が明確でない場合、本アドバイザーは通常、経営陣の評価が妥当であると考える場合にはその評価に依拠します。
反グリーンメールに関する株主提案:「反グリーンメール」に関する提案は一般に、株主の投票なしに、企業が5%以上の株主の持分にプレミアムを支払って買い戻す、または買い取る権利を制限します。経営陣は、会社の最善の利益になると考えているのであれば、大株主からプレミアムを支払って買い戻す取引について交渉を制限しないよう方がいいと主張する場合が多いです。機関投資家の株主は一般的に、すべての株主が会社の資産の利用についてこのように重大な場合は投票できるはずだと考えています。本アドバイザーは、同社が大量の株式をプレミアム価格で買い戻す場合、株主投票の対象とすべきであると考えています。したがって、一般的に反グリーンメールに関する提案には賛成票を投じます。
取締役の任期:取締役の任期に関する提案は、年齢と任期に関する制限を取締役会に課すことを求めています。本アドバイザーは、この種の一律の制限は必ずしも株主の最善の利益にはならないと考えており、状況に応じて適切に検討および評価します。
取締役の株式保有:本アドバイザーは通常、取締役が取締役会に参加するために最低数の会社株式を保有することを要求する株主提案に反対票を投じます。こうした株式保有は、取締役の判断ですべきであると考えているためです。
III. 貸付有価証券
本アドバイザーは、貸付有価証券に関する重要な議決権行使を注視することについて、商業的に合理的な範囲の努力を払うものとします。本アドバイザーは、適切なタイミングで重要な議決権行使に関する情報を入手した場合、貸出中の有価証券の回収を試み、この議決権行使ガイドラインに従い議決権を行使します。しかし、貸付有価証券を回収する試みは必ずしも成功するとは限らず、すべてのケースにおいて有効な議決権を行使できる保証はありません。
IV. 議決権行使助言サービスの利用
本アドバイザーは、議決権行使に関連するサービスを提供するために、議決権行使助言会社を雇うことがあります。これには、株主総会の日程とプロキシーステートメント(株主招集通知)などの資料に関する情報の提供、外国語で印刷された同資料の翻訳、本方針に従った議決権行使に関する提案および議決権に関する推奨に関する調査の提供、議決権行使の投票を支援するシステムの提供、行使した議決権に関する報告書の提供と届出の作成のサポートが含まれますが、これらに限定されません。
議決権行使助言会社を選抜する前、その後は定期的に、本アドバイザーは、議決権行使助言会社が議決権問題を適切に分析する能力と資質、および重要かつ正確な情報に基づいて公平な方法で推奨を行う能力を持っているかどうかを考慮します。そのような考慮事項には、以下の一部またはすべてが含まれる場合があります。(i)投票が本アドバイザーの本方針および顧客の最善の利益に沿っているかどうかを判断するために、会社のシステムを通じて投じられた投票の定期的なサンプリング、(ii)議決権行使助言会社のオフィスへの現地訪問および/または、会社が本アドバイザーのためにその義務を遂行するためのリソース(人員配置、人員、技術など)の能力と資質を持ち続けているどうかを判断するための会社との話し合い、(iii)利益相反の特定と対処、および推奨の作成に最新かつ正確な情報が使用されているかのモニタリングを中心とした、会社の方針および手続のレビュー、(iv)会社の重要な方針および手続に変更があった場合に会社が本アドバイザーに通知するように要求、特に利益相反、または重要なビジネス慣行(例えば、新規の事業分野への参入または撤退など)、およびそうした変更のレビューについて、および(v)会社が誤りを犯した場合は、その誤りについて話し合い、適切な是正措置および予防措置が講じられているかどうかの判断。本アドバイザーは、議決権行使助言会社が提供したリサーチや議決権行使の推奨に誤りを発見した場合、その誤りを調査するために妥当な措置を講じ、同社が今後同様の誤りを削減するための妥当な措置を講じるかどうかを判断することに努めます。
本アドバイザーは、独立した議決権行使助言サービスを含む数多くの情報源からの情報を考慮に入れるものの、議決権行使の投票方法に関する決定は、これらの本方針に従って行います。
V. 潜在的な利益相反のモニタリング
本アドバイザーは、議決権の行使において、本アドバイザーと顧客との間の利益相反の可能性を監視し、解消する責任を負っています。本アドバイザーは、議決権の行使がファンドの株主および顧客以外の利益に影響を受ける可能性に対応するため、保護策を導入しています。本方針は、あらかじめ本アドバイザーが定めたものであり、顧客の委任状に基づく議決権行使に本方針を適用することで、ほとんどの場合、利益相反の可能性に適切に対応できると考えられます。一方で、本方針から逸脱した議決権行使については、すべて本アドバイザーの議決権行使委員会が検証し、ポートフォリオ・マネージャーの議決権行使の根拠が妥当と思われるか、本方針の一般的な原則に沿っているかどうかを判断します。議決権行使委員会はさらに、本アドバイザーと会社の間における特定のビジネス上またはその他の重要な関係が、その会社の議決権行使における一貫性のない投票に影響した可能性があるかを評価します。利益相反につながる可能性のある問題は、議決権行使委員会に付託され、同委員会は本アドバイザーが議決権を行使する前に、速やかに問題を解決します。個人の利益相反への対応としては、本アドバイザーの倫理規定を通じてすべての従業員に対し、自身の利益と顧客の利益が相反する可能性のある不利な立場に立つことを避けるよう求めており、特定の社外の事業活動への関与を制限しています。特定の議決権行使において個人的な利益相反のあるポートフォリオ・マネージャーおよびその他の社員は、関与を辞退するよう義務付けられており、当該議決権行使に関する判断に関与することはできません。
さらに、本アドバイザーが、アメリカン・センチュリーのファンドの株式を所有するファンド、ポートフォリオ、またはその他の勘定(「本アドバイザーが議決権を行使するポートフォリオ」)の議決権を行使することで生じる潜在的な利益相反を避けるため、本アドバイザーは可能な限り、当該株式について「エコー投票」を行います。エコー投票とは、本アドバイザーが当該ファンドの株式の他のすべての保有者の議決権と同じ割合で株式に投票することを意味します。したがって、例えば、ファンドの株主が提案に対してその議決権の80%を賛成票に、20%を反対票に投じた場合、そうしたファンドの株式を所有する本アドバイザーが議決権を行使するポートフォリオは、その株式に対して賛成票を80%、反対票を20%投じることになります。エコー投票が不可能な場合は、本アドバイザーが議決権を行使するポートフォリオの顧客、または当該顧客の適切な受託者(ファンドの独立取締役委員会または退職年金制度の受託者など)との協議のうえで議決権を行使します。
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本方針は、本アドバイザーにより随時検証され、場合によっては修正されます。上記のカテゴリーに該当しない事項に関しては、本アドバイザーは受託者として最善の判断を行い、株主価値を最も高める方法で投票します。
ケースバイケースの判断は本アドバイザーが行います。実施された投票はすべて電子記録で保存します。
最終改訂日:2025年6月
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